2015年3月16日月曜日
呉服屋が出来る被災地支援〜閉幕〜
あだちでは一年を通して被災地へ送る着物や長襦袢の寄付を募っております。
主に復旧出来ていない水産関係の仕事をしていた女性たちを対象に、それらの品を使って作品が作られ、こちらに戻って来ます。
それらの機能が効率よく循環出来れば、被災地にとって貴重な現金収入が得られます。
寄付を頂いてなお、購入というご支援によって成り立つ様に思えるこの取り組みですが、視点を少しずらして見れば、誰かと集まれる場所、誰かと話せる場所、誰かと一緒にいれる場の提供=コミュニケーションの場=コミュニティーと言う図式が成立します。
震災直後はそのような場が、自分の立たされた道に対して前を向く原動力となったはずです。口にするのも嫌ですが、臆せずに書くと、少しでも関連死を防げる時間ともなるはずです。
現金収入も大事なことですが、もっともっと心の奥の大切な事。誰かと寄り添う空間。
それは、皆様から寄付された着物たちによって創り出されています。
寄付を頂く中で、様々に寄せられる声。
〜捨てられない、祖母の想いがあるから〜死ぬまで持っておこうと思ってました〜捨てられない、母がこの着物に宿っているようで〜
その後に皆さん必ずこう仰います。
「でも、少しでも被災地のお役に立てるなら、母(祖母)も喜ぶと思います。どうぞ送ってやって下さい。宜しくお願いします。」
そんな想いに僕たちは真摯に向き合わなければいけない立場です。
出来る事はただ一つ。
募る行為を継続し、頂いた気持ちに感謝し、大切に被災地へと届ける。
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ここ最近、ホームページを新設してから仕事を終えた後も、自宅でパソコンと睨めっこをしている。
箸を持つのを後回しにし、PCをカチャカチャ。目の前に晩御飯が並んでいるのに、焼酎片手に知らんぷり。何ともお行儀の悪い話であります。
しかし、お酒が入ると脳が潤滑油を得たかのように文章が羅列するのもこれまた事実。
ブログ二つにF.B、そしてHP管理。
もともと遅い晩御飯に加えて、寝るのを拒むように脳が覚醒する。
書かなければならないと言う使命がある記事以外は、取り除こうかと真剣に思案中であります。
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先日、このようなお客様が来店されました。
電話でのお問い合わせで、話を聞けば近々大阪から北海道へ引越しをされるとの事。
お母様が残された着物が大量にあり、処分に困っているとの事でした。
そして付け加えるように、「一つは想い出にとっておきたい」と。
それでしたら、いる・いらないの選別はお任せくださいとお伝えしました。
その日の内に、ぎっしり詰まった大きなダンボールを一つ。まだ入りきらない着物数枚を抱え旦那様が運び込んでくれました。
ウールに木綿に染めに織り。多種多様な着物たちが詰まっている。
今回の課題は、引越しの荷物を少しでも減らしたく、かつ、お母様の想い出を一つだけ残したい。
お母様は本当に着物が好きな方だったのであろう。くたくたになるまで着込まれた布たちが物語っていました。
結局、夏用の絽の喪服一式(帯含む)、冬用の袷の喪服一式(帯含む)、お洒落着一式(帯含む)+羽織、フォーマル袋帯をこちらの提案でお持ち帰りして頂きました。
この結果こそ、プロによる「間違いのない判断」だと自負しております。
話の流れの中で会話した内容が、素直に嬉しく思えた。
「ネットで着物の処分の事を調べていたら、あだちさんのホームページが目に止まりました。ブログの文章を読ませてもらい、捨てられないでいた母の着物たちを任せようと思いました。被災地で役立てていただけるならこれ以上の選択肢はないと思い、持って来ました。」
時間を惜しむように書いてきた種がようやく咲いたんだと、素直に嬉しかった。
ブログで培ってきた力がホームページへと宿り、こんな結果をもたらしてくれた。
素直に喜びます。
ホームページ新設、ブログによる新たなるご縁。
茶道教室二件・たんすコンシェルジュ一件・きもの支援三件・その他問い合わせ数件。
まだまだスタート地点ですが、俄然やる気だけは起こります。
やれやれ、まだ当分の間は先述の生活が続きそうであります。
*平成二十七年度きもの処あだちの被災地展を終えました。震災翌年から始めた被災地展も、今回で四回目となりました。これも偏に応援して下さる皆様がいるからに他なりません。ご来場下さった皆様方、ご協力下さった皆様方、並びに、紙面に取り上げて下さった新聞社様各位。この場をお借りして御礼申し上げます。弛まぬ応援を本当に有難う御座いました。終えた時点ではありますが気持ちはすでに来年の開催へと向いております。どうぞ変わらぬご助力のほど、今後共宜しくお願い致します。有難う御座いました。良き六日間であった事をご報告致します。
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