2015年3月28日土曜日

十三詣り



七五三ほど全国的に知られてはいないものの、関西では昔から盛んであり、関東でもごく一部で盛んな地域があると聞きます。


あだちが営む大阪では勿論の事、毎年数件のお声を頂きます。

七五三とはまた違う初々しさがあり、少なからず本人の恥じらいが見え隠れする。

同行する親御さん、おじいちゃん、おばあちゃんも然り。

きっと、親子三代での着姿のお詣りはこれが最後になる寂しさもある。

子供としてのやんちゃな一面は無くなり、物事の筋が見えて来る年頃。

本人の記憶も七五三より鮮明であろう。

それを肌で感じ、忘れずに、最高の想い出となる「時」の手伝いが出来る様、僕たち呉服屋は努めなくてはならない。

それと同時に、他よりも一つ多く、家族の温かみを感じられる地域性を幸せだとも感じます。


男女問わず数え年の十三歳で行う祝いの儀であり、新暦・三月十三日〜五月十三日に寺社に詣るのが一般的である。

十三と言う数字は自分の干支が一巡した事を示し、この世に生を授かって初めての厄年ともなります。

また、特に女の子は身体的にも大人へと成長する時期であり、大人の寸法=本身裁ち(肩身上げは必ずします)で初めて着物を着るのも十三詣りからとされています。(*)


(*)近年では子供の体の成長も早く、十三詣りより以前に本身裁ちをする場合があります。


詣る事により知恵を授かり(*)、厄を祓い、大人の階段をまた一歩上っていきます。


(*)本来は京都の法輪寺。厄を祓い知恵と丈夫な体を授かりに行くお詣りであり、その帰り道にある渡月橋を渡る時に授かった知恵が元に戻らない様に橋を渡り終えるまで決して後ろを振り返ってはいけないと伝えられています。


それは、七五三〜成人式の間にある家族の想い。

いつまでも健やかにと。ここまで育ってくれて有難うと。そして…。


親の愛情を結晶として感じてなりません。






平成二十七年三月二十八日

〜母より譲られた振袖にて〜


「十三詣り」


本当におめでとう御座います。

これからの健やかなる成長をお祈り申し上げます。








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