どこか温かく、どこか懐かしい。そんな感情を抱く。
それは作り手たちが日本の原風景に近い環境にいるからなのだろうか。
今現在において、図を、絵を、デザインを導き出すことは、指先だけでも出来る。
絵筆を持たず、鉛筆も持たず、ペンを持たずとも出来てしまう。
かく言う自分も、今現在PCに向かい指先を走らせている最中である。
情報過多。
仕事を与えられた者同士が集まり、ひしめき合って熱心に仕事に励む。
座り心地の良いソファーもなく、装飾された壁でもなく、あながちファッションとは無縁の世界だ。
職人たちの世界とは過酷なものである。仕上がりの美しさとは掛け離れた空間だ。
事実、汗も流せば自らを汚すこともある。
しかし、土の香りがあり、樹々の木漏れ日があり、草の匂いがする。
まさに自然が作品に活力を与えているのであろう。
デザインとは裏腹に、その野良風景がより一層の情景を醸し出す。
脳に不要物がないから、一針一針、一染め一染めが実に楽しそうである。
〜〜〜
師がふいに発した言葉に想いを馳せる。
「じろちゃん、職人とはこんなものだよ。僕の作品を見た人に、いかにその先に、前に、過酷な世界があることを知ってもらいたい。その汗や汚れがこんな美しいものに昇華するんだと。伝えていくのが君の仕事だよ。」
ふと、自分と師の体を見てみると、見事なまでに汗だくで、足元は泥だらけであった。
師の工房は自然豊かで、修行中は常に土と草の香りに包まれていたことを思い出す。
ちなみに、昨日YouTubeにUPしたお嬢の黒の振袖は、師が手がけた作品である。
〜〜〜
どこか温かく、どこか懐かしい。そんな感情を抱く。素直で美しい。
遠い地より、心地よい風を僕に運んでくれました。
本当にみんな活き活きし、きらきらしている。そんな表情をご覧下さい。
〜インド手刺繍〜
〜バティック〜
*全て帯地
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